メンソール・メンソーレ
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現代社会と科学技術における生殖医療の発展と考察

 ----- 現代社会において、科学技術とは人々の素朴な疑問の中から生まれ、のちに公益に結びついていくものである。そして開発された技術は、人間の手によって慎重に扱わなければならない。それについて生殖医療の技術の視点から展開して考える。-----


 この講義名が「女性と科学技術」ということなので、女性としての観点から一番身近であると私が考えた「生殖医療」を中心として、現代社会における科学技術のあり方と、これからの科学技術への期待について論じようと思う。
 生殖医療を考えるにあたって一番身近なところから探ると、まず、「不妊症」の治療が挙がってくる。子供が欲しいのになかなかできない夫婦にとって、新たな不妊治療の技術は大変望ましいものだろう。
 私は酒田市の市立図書館から関連する本を数冊借りて読んだり、足りない部分はホーム
ページを見るなどして調べてみた。


 現在、世界では人工授精や体外受精、顕微授精、代理出産、ES細胞を使った卵子の作製など、様々な技術が開発されている。
 その中で、日本では配偶者間人工授精(AIH)及び非配偶者間人工授精(AID)、対外授精と顕微受精が認められているが、非配偶者間人工授精における第三者からの卵子の提供や、代理出産は認められていない。また、日本ではまだES細胞を使っての卵子の作製も成功していない。
 数年前、タレントの向井亜紀さんが、子宮ガンによる子宮摘出によって妊娠が不可能になってしまったことから、日本では認められていない代理出産を望み、海外に渡って3回ほど代理出産を試みている。つい先日も、妊娠9週目に入ったホストマザーの経過を見にアメリカに行ってきた(1)という話をテレビのワイドショーや本人のホームページで見た。
 ここで疑問に思ったのは、なぜ、日本では代理出産を認めていないのかということだ。科学技術の進歩に伴い、法律もそれに合わせて改正されるべきであるはずなのに、科学技術だけが空回りして、実用的ではないというのは現代社会において大きな問題であると思う。また、非配偶者間人工授精における第三者からの精子の提供は認められているのに、なぜ、卵子の提供は認められないのかも大きな疑問である。当事者たちが、子供が欲しいと切実に感じていて、場合によっては卵子の提供も望まざるを得ないのであれば、提供を認めるべきではないのか。しかし、この卵子の提供の問題を規制しているのは法律ではなく日本産婦人科学会や日本不妊学会であるという。反対意見も根強くあるのだが、これを認める方向には難色が示された。(2)
 代理出産においては、様々な問題が伴ってくる。少し前に、「愛しき者へ」(3)というドラマがあった。それは、子供を妊娠することが出来ない女性が、多額の報酬を条件に、第三者の女性に自分の夫との子供を産んでもらうという内容のドラマだ。このドラマは体外受精による代理出産の話ではなく、自然受胎の代理出産の話であるが、不妊症の女性のいたたまれない気持ちや、代理母を務める女性の複雑な気持ちについてとても考えさせられる。
 また、生物学上自分の遺伝子を受け継いでいない子供が生まれた場合、例えそれが自分たちが望んで産んでもらったのだとしても、虐待や育児放棄をしたりする親が出てくる。そのような問題が懸念されるため、日本では代理出産の解禁に踏み込めないのだと考えられる。
 それに、いくら科学技術が進んだと言っても、受胎は1人ではできないものである。それはパートナーや家族など、周囲の人間の協力によって成り立つものである。昔は子供のできない女性は不産女(うまずめ)とさげずまれ、一方的に悪者にされてきた。もともと不妊症ではない女性も、そうやって姑などから責められることによって、精神的な面から不妊やセックスレスになってしまったという場合もある。また、男性側も、不妊の原因が自分には絶対無いと思い込んで、女性側に原因を押し付けたり、周囲の人間が「まだ子供はできないの?」と何気なく言ったりすることで、女性をだんだんと追い込むこともあるという。(4)そういうメンタルな面は科学技術ではどうすることもできないので、もっと多くの人が不妊や現代の科学技術について広く知ることが大切だ。


 また、最近では、遺伝子レベルから生まれる前に病気の要因を取り除いたりする技術が開発されてきている。こうして遺伝子を組み替えたり改変したりする技術は、のちに「自分が望む通りの子供」を手に入れることにつながると考えられる。そのような親のオーダー通りに生まれてくる子供を、英国リーズ大学の生殖生物学教授であるロジャー・ゴスデンは「デザイナー・ベビー」と呼んでいる。(5)
 私はこの「デザイナー・ベビー」が容易に得られるようになることに、少し恐れを感じる。人間は自然的に発生して、どんな風に生まれてくるかは誰にもわからないというところが神秘であると考えているからだ。そんな人間の神秘を人間が打破していくということが、少し悲しい。技術によって何もかもが計画されて生まれてくる人間は、人間というよりも、ロボットなど、機械的なものであるという感じがしてならない。人間によって創られる人間は、人間らしくあってほしいと、私は考える。


 また、生殖の技術よりもはるか昔に、逆の堕胎の技術が生まれていたことを忘れてはならない。堕胎の技術は古典的で、不妊の治療よりもはるかに容易な技術であるが、堕胎手術をすることで子宮が傷付き、不妊症や不育症になってしまったり、身体的にも精神的にも傷付くことがあるというリスクをもっと真剣に考えなければならない。そして、何よりも、堕胎は尊い命を人工的に消し去るという悲しい技術であることをしっかりと心に刻んでおかなければならない。
 しかし、性交は子孫繁栄の行為だとは言っても、それを望んでいない時期でも人間の本能には逆らえないものであるため、性交をしないというわけにはいかない。けれども悲しい堕胎という技術をなるべく必要としないように、今度はバースコントロール(避妊)の技術が数多く生まれた。歯を磨いて虫歯を防ぐのと同じように、堕胎をしないためにもとから防ぐという画期的な技術だと思う。同じくして、医療面全般でも、病気はかかってから治療するのではなく、未然に防ぐという方法が一般化した。現在、健康診断や予防接種、うがい手洗い歯磨きの奨励などで、広く一般的に行われている。


 現在の科学技術では、SF映画やコメディ映画のように機械が母親の子宮の役割をして子供を育てたり、男性の体内で育てたりはできない。しかし、もし、このような技術が開発されたとしても、遺伝子を親の希望通りに組み替えられて生まれてくる生命同様に、自然の摂理に逆らって生まれてきた子供は、果たして幸せだと言えるのだろうか。科学技術の開発は、そのような生命倫理的な部分においても懸念しながら成されるべきであると私は考える。
 もちろん、科学技術は日々進歩していくのが望ましいことだろうし、科学者たちにはぜひそうしてもらいたい。そして科学技術は人々の小さな疑問から展開して生まれてきていることを忘れてはならない。不妊治療の技術においても、誰かが「子供が欲しいのになぜできないのか」と疑問に思わなければ生まれなかったし、バースコントロールの技術においても、人口の増加や経済的なことが原因で子供を産まないほうが良いと思った人が「ではどうしたら誰も傷付かずに受胎調節ができるのか」と考えたからこそ生まれたのではないか。
 現在、生殖医療だけでなく、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーなど、様々な科学技術が日々進歩している。いつの日か、科学技術は公益と必ず結びついてくる。そのためには、私たち人間が公益と科学技術について小さくても良いから疑問を持ち、そして自分なりの意見を持ち、互いに伝え合うことが大切だと思う。
 そして、これから開発される科学技術は、人間だけでなく生命全て、地球全土にとって望ましいものであるべきだ。科学技術によって生命そのものや生命倫理的な部分が傷つけられたり、環境が破壊されることのないよう、人間は科学技術を慎重に扱うべきであると、私は考える。


参考文献・資料
注釈(1)『向井亜紀オフィシャルウェブサイト』
     http://www.mukai-aki.com/
  (2)『不妊症 これで安心 -漢方薬から体外受精までの最新情報-』

     佐藤孝道 著 小学館 192ページ参照
  (3)『東海テレビ』ホームページ ドラマ『愛しき者へ』
     http://www.tokai-tv.com/itoshiki/special/index.com
  (4)『不妊症 これで安心 -漢方薬から体外受精までの最新情報-』
     佐藤孝道 著 小学館 16ページ参照
 (5)『デザイナー・ベビー -生殖技術はどこまで行くのか-』
ロジャー・ゴスデン 著 堤理華 訳 原書房



 その他の参考文献
 『図解雑学 男が気になる女のからだ』
  オリンポス 著者 松峯寿美 監修 ナツメ社
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【2005/08/23 23:16】 医療・技術 | トラックバック(0) | コメント(-) |

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